帯状疱疹後神経痛治療の特徴

患者さんの脂肪組織由来間葉系幹細胞を利用して帯状疱疹後の神経痛を治療します。

帯状疱疹後神経痛治療の特徴

帯状疱疹後神経痛(PHN)は、帯状疱疹後の合併症です。この合併症は皮膚の症状が治っても、3~6ヵ月以上から数年など長期間にわたって痛みが残る後遺症です。
年齢が高いほどPHNの発症率は高くなり、50歳以上(または60歳代〜70歳代)の人は、帯状疱疹の患者さんの約5人に1人がPHNになると言われています。

当院では、通常の治療(鎮痛剤や精神神経薬、抗うつ薬)ではなかなか治らない、帯状疱疹後神経痛でお悩みの方に、患者さんの脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、点滴で体内に戻す自己脂肪組織由来間葉系幹細胞の点滴治療をご提案しております。
この「幹細胞点滴治療」は、間葉系幹細は傷ついた臓組織に移動し、その組織を修復するように働きかける作用があることを使って、帯状疱疹後の疼痛を改善することを目指した治療です。

帯状疱疹とは

帯状疱疹とは、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスの感染によって発症する皮膚疾患です。
多くは子どもの頃にウイルスに感染し、水痘(水ぼうそう)を発症します。水ぼうそうが治ってもウイルスは神経節に潜伏し続けます。
普段は免疫力でウイルスの働き抑えられていますが、加齢や過労、過度のストレスなどによって、免疫力が低下するとウイルスは再び活性化します。ウィルスが活性化すると、数日~10日間ほどピリピリ、チクチク、ズキズキなどの神経痛のような痛みが起こります。その後、身体の左右どちらか一方の神経に沿って赤い発疹が帯状にでるのが特徴です。帯状疱疹は強い痛みで眠れなくなることもあります。免疫力の低下が帯状疱疹のリスクとなりますが、50歳以上になると発症率が急増し、60歳代〜70歳代に多くみられるのも特徴です。

こんな悩みはありませんか?

  • 通常の治療で治癒しない痛みが続いている
  • 痛みが3ヶ月以上続いている
  • 既存の治療や痛み止めでは痛み軽減しない
  • 一定の時間で繰り返す刺すような痛みが続く
  • ヒリヒリ、チカチカ、ズキズキする痛み、針で刺すような痛み、焼けるような痛みなどが続いて眠れない
  • 痛みが気になって日常生活に支障がある

帯状疱疹後神経痛の原因

「痛くて洗顔ができない」「衣服の着脱がつらい」「シャツが擦れて痛い」など、日常生活に支障をきたす帯状疱疹後神経痛の原因は、帯状疱疱疹のウイルスが神経細胞にダメージを与えることで発生すると考えられています。
ウィルスによって神経自体が損傷し、痛みを抑えるメカニズムが妨げられるため、過敏性や軽く皮膚に触れただけで痛みを感じる「アロディニア」と呼ばれる感覚異常を起こすようになります。

自己脂肪組織由来間葉系幹細胞の点滴治療

帯状疱疹後神経痛には、全ての患者さんが完治するような治療法はありません。患者さんそれぞれの痛みが異なるため、抗うつ薬や鎮痛剤などの薬物療法や神経ブロックや理学療法を組み合わせても、痛みを完全に取り除くできない事が多く、また長期間にわたって治療する場合があります。
当院では帯状疱疹後神経痛に対して、従来の治療では慢性疼痛を取り除くことができない方を対象に、治療の選択肢の一つとして再生医療をご提案しています。
自己脂肪組織由来間葉系幹細胞の点滴治療は、ご自身の免疫を調整して、症状の緩和を図る根本的な疼痛緩和治療として効果が期待できます。

自己脂肪組織由来間葉系幹細胞治療のポイント

間葉系幹細胞(MSC)は、傷や炎症のある部位に移動する能力があります。この能力を「ホーミング現象」と呼びます。間葉系幹細胞は、移動した先で様々なサイトカインを放出します。これらのサイトカインには、抗炎症作用や免疫調整作用、血管新生作用などがあると考えられています。

ホーミング効果と免疫調整について詳しくはこちら

自己脂肪組織由来間葉系幹細胞治療の流れ

自己脂肪組織由来間葉系幹細胞治療の流れ

自己脂肪組織由来間葉系幹細胞の点滴治療について詳しくはこちら

銀座よしえクリニックのCPC(細胞プロセッシングセンター)

当院のCPC(細胞培養加工施設)は再生医療等安全確保法のもと第二種再生医療等計画を厚生労働省より承認を受けた細胞培養センターです。CPCでは、患者さんの脂肪組織から採取した間葉系幹細胞を培養・増殖し、点滴用の製剤を作成しています。
聖マリアンナ医科大学の井上客員教授の監修のもと、再生医療を実施しています。

帯状疱疹後神経痛治療の関連施術

帯状疱疹後神経痛治療のメリット

  • 慢性的な痛みを改善できる可能性が高い
  • ご自身の幹細胞を使用するため安心です
  • 幹細胞は冷凍保管するため、好きなタイミングで治療ができる
  • 1回の脂肪採取で複数回治療が行える

帯状疱疹後神経痛治療のデメリット

  • 本人の脂肪を採取するため、侵襲性がある
  • 既往症によっては治療を受けられない方がいる
  • 治療の費用が高額になる
  • 脂肪採取部位の傷み・感染の可能性がある
  • 効果の発現に一定の時間を要する

帯状疱疹後神経痛治療の施術詳細

脂肪組織採取

  • 施術時間30分~60分
  • 入院なし
  • 術後の通院なし
  • 麻酔局所麻酔
  • 術後の腫れ多少腫れます。
  • シャワーシャワーは当日可。入浴はガーゼ保護中不可。
  • 洗顔当日から可能
  • メイク当日から可能
  • 診察当日の治療不可、要血液検査

幹細胞の点滴投与

  • 施術時間60~90分
  • 入院なし
  • 術後の通院1カ月ごとに5回(1クール)
  • 麻酔なし
  • 術後の腫れ注射部位に内出血がおこる可能性がありますが、通常の点滴と同様です。
  • シャワー当日から可能
  • 洗顔当日から可能
  • メイク当日から可能
  • 診察当日の治療不可、要血液検査

帯状疱疹後神経痛治療の注意事項

脂肪組織採取に伴うもの

  • 施術中・・・麻酔に対するアレルギー・軽度の痛み・不快感・刺激感・熱感 等 
  • 施術後・・・赤み(紅斑)・腫れ・痛み・かゆみ・出血・感染・炎症・瘢痕・ 色素の変化色素沈着・色素脱失)、創傷治癒遅延、皮膚生着不良、テープかぶれ 等

幹細胞の点滴投与に伴うもの

気分不良、嘔気、息苦しさ、胸痛、肺塞栓症、アレルギー反応、ショック(アナフィラキシーなど)、感染、予期せぬ重篤合併症が発生する可能性があります。
注入時・注入後に注射部位周辺等に血管痛、掻痒感、熱感が生じることがありこれらはほとんどの場合、注射終了後に消失します。場合によっては注射部位に内出血がおこる可能性がありますが、1~2週間で徐々に消失します。

  • 静脈確保が困難な場合、複数回の刺し直しをする場合がございます。
    複数回の穿刺にもかかわらず、静脈確保困難な方は治療ができない場合はその日の治療をお断りする可能性があることをあらかじめご了承ください。
  • ご体調に不快感がある場合は施術を受ける前に必ず施術者にお伝えください。状態により患者様の肌、体に影響を及ぼすおそれがあり、場合によっては施術をお断りさせて頂くこともございますのであらかじめご了承ください。

出現する時期に関しましては患者様の皮膚・身体等の状態により、異なります。
これらの症状の殆どは一時的なものですが、症状が発生した場合は当院にて対応させていただきますので必ずご相談下さい。

帯状疱疹後神経痛治療のリスク・副作用

自己脂肪組織由来間葉系幹細胞点滴治療の場合:ご自身の脂肪採取時に採取部位の一時的な痛みと出血があります。リスクは一般的な注射とほとんど変わりません。

帯状疱疹後神経痛治療の施術の流れ

  • STEP1カウンセリング、血液検査
    治療が可能かどうか、血液検査を行います。
  • STEP2脂肪組織採取
    傷が目立たない部位から脂肪を採取します。
  • STEP3幹細胞培養
    採取した脂肪から幹細胞を取り出して培養します。(8週間)
    培養した幹細胞は凍結して保存するため、8週間後であればいつでも治療が可能です。
  • STEP4幹細胞投与
    座位または臥位で、幹細胞を静脈内投与します。(60~90分)
    投与後は1時間程度、院内にて経過観察します。
  • STEP5治療間隔
    治療間隔については医師と相談して決定します。
    目安は、1カ月ごとに5回で1クールとなります。
    注入後は異常等がないことを確認するため、月1回、6カ月間は定期的に通院をお願いしています。
    このサイクルを症状治るまで続けます。